2021.3現在の新型コロナウイルス感染症について|さいたま市にある小児科専門医院

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当院の新型コロナウイルス対策

院長ブログ

2021.3現在の新型コロナウイルス感染症について

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この1年間、新型コロナウイルス感染症(以下、COVID-19)の蔓延で他の感染症はほとんど見られませんでした。北米、中国でも2020.1まで季節型インフルエンザの流行がみられましたが、COVID-19のパンデミックな出現で2020.2から欧米でも季節型インフルエンザの流行は消失しました。私のクリニックへ受診された患者さんのご家族へは今季のインフルエンザの流行はないと昨年春からお話していましたがその通りになりました。COVID-19以外の感染症の流行がみられないのは手洗い、マスク等による予防はもちろんですが、ウイルスの干渉作用が大きな要因だと思います。

小児がCOVID-19に罹患したときの学校・保育園・幼稚園での対応、学級閉鎖等についての取り決めは現在、文部科学省、厚生労働省から指示が出ていません。2022.4にはある程度、明文化されるでしょう。

私のクリニックでは2020.7から大半は小児を対象にCOVID-19のPCR検査、抗原検査を2021.2末までに244例実施しました。2月末までの陽性者は当クリニックでは2,4%です。今年に入ってから気になることは小学生の感染源不明者が3名いたことです。その3名は症状も軽く全身状態良好で保護者も検査結果に驚いていた様子でした。ちなみに当院では6歳未満のお子さんの感染源不明者は今のところおりません。小児は海外でも日本でも重症化しないようです。2020.12.28~2021.2.14の期間に埼玉県内の施設にCOVID-19で入院した小児は軽症21例,中等症1例,重症1例で、軽症者がほとんどです。以上から、成人に比べ15歳以下はCOVID-19の患者が少ない年代ですが不顕性感染、軽症者は実際もっと多い可能性があります。今後、家族内感染、学校でのクラスターの発生を防ぐためにも散発例のCOVID-19患児の発見をしっかりやっていくようにしたいと思います。

あまりマスコミで取り上げられませんがCOVID-19のウイルスはSARS,MARS,HIV(エイズ)、ジッカ熱等にみられるようなADE(抗体依存性感染増強)というウイルスの特徴を持っていることが心配です。それは海外でも報告されていますが、ADEがあるため、初めてCOVID-19に感染し不完全な抗体しか獲得できなかった人が、COVID-19に2回目感染したときに重症化することがあることです。また、ADEがあるので従来のワクチンの製造法ではSARSなどのワクチン開発が以前、頓挫しました。現在、開発されたmRNAワクチンは新しい製造法なのでその問題はクリアーしたようです。いずれ安全性を示唆するデータが揃ったとき16歳未満、小児もワクチン接種できるようになると思いますが早くその時期がくることを待ち望んでいます。

 

 

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